[1泊目]





元禄時代に湯場をつくったことから始まったと言われる「積善館」は、現在19代目と
いう長い歴史を持つ湯の宿。現存する日本最古の湯宿建築であり県重要文化財にも指
定されている本館は、江戸の昔から続く湯治場の風情そのものを感じられます。映画
の撮影にもよく使われるこの建物は、NHKの連続テレビ小説「ファイト」では「駒の
湯」として登場しました。アーチ型の窓が印象的な大正ロマンあふれる「元禄の湯」
では、5つの浴槽にこんこんと注がれている源泉かけ流しの本物の温泉を堪能して下さい。
湯上りに畳の上にゴロリと寝転がれば、日本文化の心地よさを存分に感じられることでしょう。

                           

   
 [2泊目]





天保5年に造られた荘厳な入母屋茅葺屋根が印象的な「四万たむら」も、永禄の頃か
ら四万の湯守として湯宿をかまえた長い歴史を持つ宿。今の世もその湯守の精神は
脈々と受け継がれ、趣向を凝らした数多くのお風呂でもてなしてくれます。有名な露
天の「森のこだま」や木の温もりに包まれた「御夢想の湯」、そして湯治の宿「花涌
館」には温泉の原点とも言える源泉かけ流しの「翠の湯」が…。まさに、『温泉宿で
一番大事なものはこんこんと湧き出る温泉である』ということを教えてくれる老舗旅
館です。湯上りのひとときは、10万坪もある広大な敷地の散策をぜひ!四万の自然の
中で、可憐なお花や野鳥に出会って下さい。


(記  温泉ナビゲーター:吉田京子)