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【イベントの経緯と趣旨】

中国には、大多数の漢族と共に55もの少数民族の人々が暮らしています。今回の地震の震源地となったブン川は、チベット族と共に自然信仰を持ち古代少数民族ともいわれるチャン族の人々が多く暮らす地域で、少数ではありますが回族というイスラム教を信仰する人々も暮していました。しかし、中国の経済発展と共に、山間部に暮す少数民族の人々は、昔ながらの生活をすることが難しくなり、更にはかなりの経済格差で、生活が逼迫されていました。

 そんな、ブン川の少数民族を、長年支援し続けてきたのが、四川社会科学院・教授であり道教の大家、李遠国さんと、遠国教授の兄で、四川師範大学・芸術研究所教授であり、世界的に高名な画家、李金遠画伯です。
日本を代表する気功家の津村喬さんは、そんな李兄弟と二十年来の友人関係の中で、幾度も、四川を訪れ、ブン川の少数民族の人々とも出会っていたそうです。

そこに、今回の大地震のニュースが飛び込んできました。

 四川の成都で共に被災されながらも無事だった李兄弟より、津村さんに「できるだけ早く震源地・ブン川へ直接、救済・支援の手を差し伸べに行く」と連絡が入りました。
李遠国さんは、道教の大会を開き、義援金カンパの活動を、李金遠さんは、世界中の友人知人に、ご自身の絵画を売ることでカンパの呼びかけを始められたそうです。

 津村さんの自宅には、奇遇にも四川へ経済的な援助をした代償として送られてきた『震源地・ブン川のチベット族の人々が作った宝飾アクセサリー』が沢山ありました。
それらの物を見た時、早急に販売して少しでも多く現地への支援をしたいと思った津村さんから、私のもとに連絡がありました。

 実は私と津村さんは、95年の阪神大震災でそれぞれ被災した経験があります。
98年「神戸からの祈り」という、宗教・民族・国境を越えた平和イベントに互いに関わったことで知り合ったのですが、その後、特に交流するわけでもなく、それぞれに過ごしておりました。私自身の心情では、地震前からチベット問題が表面化し、ダライ・ラマ法王やチベットの人々の胸の内を思うと、とても辛い気持ちでおりました。ただ、普通に暮す中国の人々までが、世界中の批難の的になっていることにも不条理を感じ、個人的にどうすることも出来ない状態でした。

そんな時に起こった今回の大地震。連日流れてくる悲惨な状況を目の当たりにして、せめて赤十字に募金しようと思っていた矢先、震源地は、チベット族や他の少数民族が多く暮らす地域であると知りました。そこに、津村さんが支援するという話を間接的に聞いた私は、即座に津村さんにカンパを送りました。その直後、津村さんから相談を受けることとなり、今回の緊急支援のお手伝いをすることになったのです。

私たちは、中国のその地域に行って、具体的に何か動けるわけではありせん。ただ、私にできることもあります。イベントを企画すること、文章で皆さんに伝えること、そしてオフィスTENを通して販売することです。

どうか、この情報をお知りになった皆様、皆様にできることとして、是非イベント会場へ足を運んでください。当日お越しになれない方は、震源地の人々が作った宝飾アクセサリーをお求めになり、思いを馳せてください。また、多くのお友達に、このことをお知らせ下さい。
それら全てが、震源地で被災した少数民族の人々を始め、被災された方々への直接的な支援救済に繋がります。

 皆様の温かなお気持ち、ご支援、ご協力、心よりお願い申し上げます。              
                    
2008年5月30日      天川 彩





Photo by 木下 朋
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