このたびの、東日本大震災で被災されました全ての皆様に
心からお見舞い申し上げますと共に、お亡くなりになられました方々の
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

ささやかながらでも今の私たちに出来ることを、との思いで、
「TENの炊き出し隊」を組み5月1日・2日の二日間、
岩手県・宮古市にある二か所の避難所で
炊き出しをさせていただきました。

支援ご協力いただきました皆様にお礼を申し上げますと共に
ここにご報告させていただきます。

           天川 彩

 <炊き出し報告>



 東日本大震災で、被災された方々の辛い状況が
連日テレビで報道される中、かつて阪神大震災で被災した時に、
自分がしてもらったような「炊き出し」を
どうにかすることは出来ないものかと思い続けてきました。

しかし、どれほど思いはあっても、次々に立ちはだかる
現実の壁は高く、簡単にことは進みませんでした。


 震災から一か月ほど過ぎた頃、紀伊半島の熊野本宮大社の
例大祭に参列するため、熊野を訪れました。
新たに再生したかのような気持ちで東京に戻ってくると、
熊野の神様のお導きなのか、岩手県・宮古市熊野町にある
「熊野神社」の避難所で炊き出しをさせてもらえることになったのです。

 更に宮司様のお口添えで、同じく避難所になっている
鍬ヶ先小学校でも炊き出しさせて頂くことになり、
急遽様々な準備を整えてメルマガで呼びかけをしました。
すると、一緒に炊き出しに行きたいという方々と共に、
炊き出し用の支援カンパを送ってくださる方も大勢いいらして、
直ぐにTENの炊き出し隊として向かうことができたのです。

 4月30日夜、北海道や名古屋からも参加してくださった
炊き出し隊のメンバーが、TENの事務所に集合し、
事前に購入していた生物以外の調味料や食材、
提供するカップなどそれぞれリュックに詰め込んで



東京駅から夜行バスで出発。

 私たちの拠点となったのは宮古の避難所から
車で3時間ほど離れている花巻市の「かほる旅館」。



女将さんは私の十数年来の友人です。
震災直後から被災された方々の受け入れで
食材が不足しているとの話を聞いて、
4月上旬にはメルマガを通じて皆さんに物資協力をお願いし、
全国から送られてきた食材を分類分けして
こちらから段ボール十箱ほど送ったばかりでした。



 今回は、私たちの炊き出しの拠点として使わせていただきました。
二日間、早朝から深夜までお部屋を貸していただいたり、
台所など使わせ頂いたりと、本当に助かりました。
また初日のメインメニューは牛丼でしたが、
私たちが到着する前に、玉ねぎを50個も
先に炒めてくださっていたので、
炊き出しの準備がスムーズに進みました。

 ほかに、花巻では多くのお店の方々にも助けられました。

 無料でいなり寿司300個分の酢めしを提供してくださった
お寿司屋さん、格安で牛肉で提供してくださった大型スーパーの
店長さんや精肉コーナーの方、業務用大鍋やザルなど器具を
一式無償で貸してくださった製麺所の方など、
「本当は、自分たちも被災地で何かしたいところだから」と
口々に言ってくださり、有難かったです。

お陰様で、多くの方からカンパいただいた金額で、
現地の炊き出しに関わる経費は、ほぼすべて賄うことができました。

 現地での炊き出しでの出来事に関しては、
5月6日発行のTEN’s magazine469号
書いた通りですので省略いたしますが
ご協力いただいた多くの皆さんのお気持ちと共に、
炊き出しが無事終了いたしましたこと、ここにご報告いたします。


 本当にどうもありがとうございました。

 食後に、食後に『天の珈琲』をお出ししたのですが、
それがことのほか大好評で
「レギュラーコーヒーを飲んだのは、震災後初めてです」と、
被災者の方々から私たちにお菓子のお礼までいただきました。

 被災地では、今はもう食べるものに事欠くことは無いようですが、
また機会が整えば、今度は『TEN’sCafe』として、
美味しい珈琲や紅茶のサービスをしにでも、また伺えればいいな、とも思っています。

                          5月25日      天川 彩


(今回炊き出しをさせていただいた熊野町の風景)     (熊野神社の宮司さまと)